【医師監修】糖尿病でも安心!1週間の食事メニュー例と続けるコツ

「糖尿病の食事って、結局なにを食べればいいの?」
「1週間分の献立を考えるのがつらい…」

そんな悩みを抱えている方に向けて、1週間分の実例付き食事プランをご紹介します。
食べてはいけないものばかりだと感じるかもしれませんが、コツをつかめば“無理なく続けられる食事”が可能です。

糖尿病の食事療法で大切な3つのポイント

糖尿病の食事管理において重要なのは、「制限」ではなく「バランス」です。
以下の3つを意識するだけで、血糖値を安定させやすくなります。

1. エネルギーコントロール

  • 年齢・身長・活動量に合わせて摂取カロリーを調整

だいたい「適正体重×25キロカロリー」程度になります。

(適正体重は身長(m)×身長(m)×22です。)

身長(cm)身長(m)適正体重(kg)推定適正カロリー(kcal/日)
150cm1.5049.5kg約1,240kcal
155cm1.5552.8kg約1,320kcal
160cm1.6056.3kg約1,410kcal
165cm1.6559.9kg約1,500kcal
170cm1.7063.6kg約1,590kcal
175cm1.7567.4kg約1,690kcal
180cm1.8071.3kg約1,780kcal

2. 栄養バランス

  • 炭水化物:50〜60%
  • たんぱく質:15〜20%
  • 脂質:20〜25%

3. 食べ方の工夫

  • 野菜を最初に
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 朝食を抜かない

1週間の食事メニュー例(朝・昼・夕)

曜日朝食昼食夕食
雑穀ごはん+納豆+味噌汁+小松菜のお浸し焼き魚定食(外食OK)鶏むね肉の野菜炒め+冷奴+ごはん
トースト+ゆで卵+トマト+無糖ヨーグルト野菜たっぷりのパスタ+いなり1個豚しゃぶ+きのこ+サラダ+みそ汁
オートミール+バナナ+豆乳サラダチキン+玄米おにぎり+野菜スープサバの味噌煮+蒸し野菜+味噌汁
ごはん+しらす+味噌汁+納豆弁当(コンビニなら雑穀弁当+サラダ)冷しゃぶサラダ+かぼちゃ煮+味噌汁
全粒粉パン+ハム+無糖ヨーグルト+果物少量うどん+ひじき煮+青菜のお浸し豆腐ハンバーグ+ほうれん草+ごはん
和朝食:ごはん+鮭+味噌汁+漬物カレー(ルー控えめ、野菜多め)+サラダ回鍋肉+玄米+きゅうりの酢の物
トースト+目玉焼き+ブロッコリー+無糖紅茶ハンバーグ定食(外食)+味噌汁ぶりの照り焼き+豆腐+味噌汁

外食やコンビニでも選び方次第でOK!

外食が多い方も、以下のルールを守れば血糖値を上げすぎずに済みます。

✅ 血糖値を上げにくくするための「外食・コンビニ食」選びの基本ルール

  1. 主食は“控えめ”に
     ご飯やパン、麺類は「大盛りNG」「1/2量」などで調整を。雑穀ごはんや低糖質パンならさらに安心。外食ではごはんを半分、あるいは少な目で注文する習慣をつけましょう。
  2. たんぱく質をしっかり摂る
     焼き魚、鶏肉、豆腐、ゆで卵、サラダチキンなど。血糖値の安定に役立ち、満腹感も持続します。
  3. 野菜は“最初に”たっぷりと
     特に「葉野菜」「きのこ」「海藻」など食物繊維の多いものを先に食べると、糖の吸収を緩やかにできます。
  4. 揚げ物・炒め物より“蒸す・焼く”を選ぶ
     調理法に注目。油を多く使うメニューは高カロリーになりやすく、脂質異常や体重増加にもつながります。
  5. 甘いドリンクは避ける or 小サイズで
     ジュースや甘いカフェラテは血糖を急上昇させます。どうしても飲みたいときは量を最小限に。
  6. 食後の軽い運動も忘れずに
     外食後に10分でも歩くことで、血糖値の上昇を抑える効果があります。

お酒は控えるべき?実は“適量”ならOK

糖尿病でも、飲み方さえ気をつければお酒を楽しむことは可能です。

  • 飲んでいい量:
    • ビール中瓶1本(500ml)
    • 日本酒1合(180ml)
    • ワイングラス1杯(180ml)
  • 飲むタイミング:空腹NG、必ず食事と一緒に
  • 注意:
    • 甘いチューハイ・梅酒は避ける
    • インスリン・SU剤使用時は低血糖に注意

続けられる食事こそが最大の武器

HbA1cの改善には「習慣」が何より重要です。
完璧な食事より、「ムリなく続けられる食事パターン」を持つことが、糖尿病治療を成功させる最大のポイントです。

まとめ

糖尿病でも、美味しく・安心して・生活に合わせた食事は可能です。

  • 「糖尿病 食事 1週間」プランは、始めの一歩に最適
  • 外食やお酒も、選び方と工夫次第で楽しめる
  • 何より大事なのは「無理なく続けられる」こと

必要以上に恐れず、自分の体と相談しながら“現実的に継続できる方法”を探していきましょう。

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この記事を書いた人
都内の総合病院で糖尿病や内分泌疾患を専門に診療している医師です。総合内科専門医/糖尿病専門医/内分泌代謝科専門医/医学博士。年間2000人以上の糖尿病患者さんを診察しながら、学会発表や研究活動も行っています。このブログでは、日々の診療で感じた「患者さんが本当に知りたいこと」「わかりづらい医療情報をわかりやすく伝えること」を大切にしています。正しい知識を知ることが、安心への第一歩になりますように。

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